「Grow Season1 夏の陣」イベントレポート。
真っ青な空に積乱雲がラピュタを匂わせ、太陽が私達にマウントを取りに来る夏本番。
こんな日はエアコンの効いた部屋でBS夏休みアニメ特選の「パンダコパンダ」でも見ながら麦茶で乾杯したい。
間違っても体を動かそうなんて普通考えない、ましてやわざわざ勝敗をつけて喜んだり悲しんだりする事もまっぴらゴメンだ、、
そんな奴が居るとしたら是非一度会って見たい
まあ、このクソ暑い新潟に「居たとしたら」だが、、
いや、、待て、、、
いた、、、、
50人もいた、、
秋葉区文化会館にこぞっていた、、
そいつらはTシャツをビショビショにして音楽と遊んでた、、
そいつらは真剣に、泣いたり、笑ったりしていた、、
「Grow Season1 夏の陣」
シーズン制になったGrowの夏の戦い、暑かろうが寒かろうがダンサーは踊るのだ。
L.E.Fのリーダー中嶋さんの安心感半端ない受付を通ると、モダンな印象の空間が広がる、今回の会場はホンダのフリードよろしく「最高に丁度いい」広さ、いつもよりエントリーは少なかったものの、いい感じに密集していて「JAM」感が出ていた。
MCはこの記事を書いて居る私、BRING BACK、安定の滑り散らかしstyleで会場をフリーズさせていく、「凍らせるならエルサかBRING」そんな噂が巷では流れているようだ、暑い日には持ってこいのMCだと思わないか?
DJはGABAWASH、選曲のセンス、DJの技術は間違いないものがある、L.E.Fの末っ子キャラでお調子者だ、最近横浜から自由が丘に引っ越したらしく、オシャレサンダルなんぞを履いて「自由がお感」を匂わせていた。
予選が始まる、まずは「サイファー予選」だ。
サイファーとは輪になって一人づつ真ん中で踊り「音楽を皆んなで共有する」というものだ、それぞれが音楽に独自のアプローチをし一つの輪を盛り上げていく、ダンサーのコミュニケーションツールの一つでもある。
サイファーをすれば大体打ち解けあえる気がする、、
V6の言葉を借りるならば、ダンスでそいつのこたが「すぐに分かるから」だろう。
サイファー予選は新潟では珍しい、ダンスをライフスタイルとして考えているL.E.Fだからこそ、パーティーが大好きなL.E.Fだからこそのサイファー予選だ、Growには外せない、Growがソウメンだとしたらネギだ、いやまて、生姜か、、はたまた、めんつゆか、、
評価のポイントはいくつかあるが、結局サイファーという空間、そこに出来る輪を、意識する事が大切、人とのコミュニュケーションの場だと思えば分かりやすい、一人で自分の自慢話ばかりしていたら嫌われてしまう、やはり人の話を聞いて相槌を打ったり、話を振ったり、興味のある話をしたりする人が印象がいい。
私がこの日、特に記憶に残って居る出来事がサイファーのラスト、GABAWASHが会場に地球の裏側の夏を持ってきたときの事だった。
Masters at Work の Brazilian Beat が流れ、サンバのリズムで夏を感じまくった私が「もう皆んなで踊れば?」と言うと、本当に皆んなで踊り出した、人間の本能を感じた、そのひと時は「バトル」ではなく「祭り」だった、、
やはり昔から「盆踊り」などで人は踊ってきた、なぜなら人は踊りたいのだ、音楽で体を動かすことは普通のことで当たり前だから。
現代のダンサーは「踊りたい」という人間の本能に素直なだけなのかもしれない、この50人からすれば踊ってない奴の方が異常なのだ。
そして「サークル予選」
サークル予選は一人ずつジャッジの前で踊るため緊張する、しかしその分ジャッジに自分をアピールできる、アピりすぎて「アピール瀧」にならないように気を付けなければならないのだが、、
この「サイファー予選」と「サークル予選」二つの見せ方で自分を出せるのがGrow最大の特徴で「とにかく来てくれた方に沢山踊ってほしい」そんな我々の思いが込められて居る。
個人的な感想だが、もう少しサークル予選で冒険してもいいのでは?と思ってしまった、流れている音楽で思いついたアイディアを瞬間的に形にしたり、感情を目一杯込めたり、40秒と短い時間だが、こんなにも人から注目され評価されている40秒は長い人生の中で余りにも貴重だ、私自身書いていて今その事に気づいた。
そこから、BEST32 BEST16 と2面に分かれての対面バトル方式で続いていく、対面バトルはバトルの真骨頂、向かい合い、目と目を合わせ、戦う。
勝ち負けは決まる、、、
それぞれの思いを胸に、自分の「Style」を相手にぶつけて行く。
そして勝ち進んだ8人で会場全体が注目している状態で戦う、熱い!熱いぜ!!夏だぜ!!おっととっと夏だぜ!!!
なんと今回はBEST8のうち4人が糸魚川勢、しかも同門、どうやら糸魚川には優秀なダンサーを輩出する虎の穴があるらしい。
とにかく糸魚川の豊かな自然と美味しいお米とブラック焼きそばに感謝だ。
おっと、BEST8の前に皆さんお待ち兼ね、ジャッジムーブ!!!!
ヒイェ!!
気持ち良さそうに踊るお人だ。
そして踊れるパン屋「SHOTARAW」
「アンパン、食パン、カレーパン、ジャムバタチーズ、しょうたろう」
「勇気の鈴がリンリンリン、しょうたろうのバイヴスぐんぐんぐん」
圧が鬼。
続いて、重鎮「KIRIN」さん
「まだか、まだかと待ちわびた、この人の踊りが見たいって、首を長くして待っていた、KIRINの踊りが見たいって」
私もずっと踊ってたいと思わせてくれた。
最後は、素晴らしく姿勢がいい新潟のディーバ代表「MIFUYU」
「素敵」とはこの人のためにある言葉だと思ってしまった、音楽だ。
(全ての写真にBaGuが写り混んでいるが心霊写真ではない)
Best8からはグッとレベルが上がりイベントは外の気温よろしく熱を帯びる。
Best8を終えると残るは4人だ、Best4は決勝へと進む大事な一戦になる、つまりバトラーは死力を尽くす、全体のバトルを通して一番盛り上がるムーブが出やすいのもBest4なのだ。
1戦目、ライト (HIPHOP) VS 響 (BREAK)
こちらは男と男のガチンコの戦い、両者の力量からしてレベルは過去最高かもしれない、響から握手を求める和やかな場面はあったものの緊張感漂う見応えのあるバトルだった、ここでは完成度の高いパワームーブに音楽性も意識した踊りで響が勝負を制する。
しかしながら、毎回遠く富山から来てくれるライトには最大のリスペクトを送りたい。
2戦目、Hina (Freestyle)VS Riria (Freestyle)
糸魚川勢の同門対決となったこのバトル、制したのはRiria。
2人とも女性らしいしなやかな踊りで会場を沸かせた、しかしここで目立ったのはRiriaの「遊び」だ、この大切な場面でのあの踊りは肝が座っているというか、会場の空気を持っていったように見えた。
そして、決勝のカードが出揃う。
響 VS Riria
全くStyleの違う2人がぶつかるそのバトルに、会場は息を10リットルくらい飲む。
強者のライトを下し勢いに乗る響はキレが落ちることはない、無尽蔵の体力と研ぎ澄まされた音楽性で音を意識しながらも、スキル、パワームーブを繰り出す。
それに対して、Ririaも決して自分のStyleを崩すことはない、ハウスも取り入れた独特のフィーリングで、会場の期待に応える。
結果は、、
勢いが全く衰えなかった響が夏の大一番を制した。
「素直に楽しかった」
そう語る響にどんな気持ちでバトルに望んだか聞いた。
「勝ち負けを意識しないで、バトルを楽しむ」
確かに今回の彼にはそれが見て取れた、楽しそうだった。
そして今後の目標は?と言う問いに対して
「どの現場に行ってもリスペクトされるダンサーになりたい、それと他ジャンルの人たちともっと一緒に踊りたい、そんな仲間を作りたい。」
と答えた、Bboyとして、またダンサーとして、彼の今後の成長が楽しみだ。
準優勝のRiriaにもインタビューさせてもらった。
「嬉しい、いっぱい嬉しい!!」
満面の笑みで答えるRiria
「いつもレッスンでやっている踊りを、ナチュラルにバトルでも出せるようにしていきたい。」
そう語った、今回その片鱗を我々に見せつけ、新たな時代の到来を期待してしまう。
「もっと色んなバトルに出て、色んな音楽を表現出来るようになりたい、そして毎回その音に合った踊りが出来るようになりたい、果物ならパイナップルが好き。」
とも語っていた、これからまだまだ伸びしろしかない彼女、またGrowにチャレンジして自分を出し切ってほしい、パイナップル、、、。
こうしてGrow夏の陣は幕を閉じた。
イベントの最後には嬉しい光景が目の前に広がっていた、、
全くと言っていいほど人が減っていなかったのだ。
こんなにも人が残っているイベントは本当に珍しい。
皆んなありがとう、私の滑り芸にも付き合ってくれてありがとう、暑い中せっかくの休みを使っててキッズを連れて来てくれた保護者の方々、ご苦労様でした、ありがとう。
最後に、、バトルは結果が付き物だ、泣いてた子もいた、私は胸が熱くなった。
今回「成功」したのは響1人、
しかし
「成長」は皆んな出来る、結果を受け入れ、自分と向き合えば成長出来る。
響もずっとGrowに出続けてくれて「成長」して来た、その結果が今回の「成功」だ。
「成功」は甘いものではない、一握りの人しか「成功」出来ない。
でも、私はダンスで「成長」出来たと実感している、L.E.Fのメンバーも同じだろう。
エアコンの効いた部屋でTVを見ているのと、一歩踏み出してバトルで自分と向き合うこと、どっちが成長出来るだろうか?
考えなくても分かる。
我々L.E.Fはダンスを通して皆さんの「成長」を応援したい
その為にまたGrowをやる、今度は「秋」だ。
新潟産コシヒカリの新米を沢山食べてまた挑戦してほしい、「成功」を目指し「成長」するために。
私もトークスキルとダンススキルを磨いておく。
スニーカーも、、
L.E.Fの皆んなお疲れ。
ジャッジの皆さんもお疲れ様でした、思いのこもった言葉をありがとうございました。
今回のポイント
響 / 10,000 pt
Riria / 5,000 pt
ライト / 2,000 pt
Hina / 2,000 pt
Narito / 1,000 pt
MOMOKA / 1,000 pt
Mokana / 1,000 pt
KANARU / 1,000 pt
通算ポイントランキング
1. 響 / 12,000 pt
2. SHOTARAW / 10,000 pt
3. ぜんた / 5,000 pt
3. Riria / 5,000 pt
5. 一世 / 2,000 pt
5. ライト / 2,000 pt
5. Hina / 2,000 pt
8位以下
Narito, MOMOKA, Mokana, KANARU, Nat's, シティ, moe, 558 / 各1,000 pt